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聖母をたずねて

おパリから電車で1時間くらいの、シャルトルという街に行ってきました。
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目当てはここ↓↓、シャルトル大聖堂。12世紀に建てられました。正式名はノートルダム大聖堂なので、ここも聖母マリアに捧げられた大聖堂です。駅から10分ちょっとだったかな、大聖堂の尖塔を目印に緩やかな坂道を歩きます。憧れのシャルトル、、、ワクワクどきどきな浮かれ気分と同時に、身が引き締まる思いもしたり、、。日本の神社にも参道ってありますけど、神様のいるところへ向かう道って、どこの国へ行っても特別ですね。信仰してるしてないは別にして、ずっと長い間人々を支え続けてきた「魂」に近づいていくのかと思うと、ほんと特別な気持ちになります。
あぁ~もう着いちゃう!!ってところでちょうど良くカフェがあったので、コーヒー飲んで心の準備万端でれっつらゴー。
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今日も寒いな。ふんふん、中へ入る前に建物の外側を拝見。
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ふんふん、ゴシック建築って天にすくぅっと伸びてるのが特徴なんだけど、その重量を支えるために外側の飛び梁(フライング・バットレスっていうんだっけ)が、かなりゴツゴツしてる。フィレンツェ人はそのメキメキな外観が気に入らなくて、あの大聖堂をつくるのに相当苦労したのよね。
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こちらは正面扉の彫刻。12世紀完成当時のままのオリジナルです。玉座のキリストを中心に、四福音書記官を象徴する4匹の動物が囲んでます。時計回りで鷲がヨハネ、牡牛がルカ、獅子がマルコ、天使がマタイ。冬に行ったヴェネツィアにも、マルコを意味する獅子がいっぱいいたよね。

さて、肝心な大聖堂の中ですが、これまたロクな写真が無い・・。ごめんなさい。世界一のステンドグラスなんですけどね。その美しさは、「シャルトルの奇跡」「天上の交響曲」とか言われてます。
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ごめんちゃいバラ窓。これも12世紀オリジナルでごわす。
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バラ窓下3連の右窓、「エッサイの樹」。キリストの家系図みたいなもので、ステンドグラスによく登場する図像です。そういえば、絵画じゃほとんど見かけません。青が綺麗だった~。
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「神は光なりき」が、中世のキリスト教徒たちの信念だったそうです。
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「ガラス窓は聖なる書である。それは真の太陽なる神の光を教会の中に注ぎ込む」
(13世紀の典礼学者ドゥランドス)
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中央に聖母マリアが座り、幼児キリストを抱いているバラ窓。その周りには旧約聖書の王や預言者たちが表現されています。垂直性の高いゴシック建築に、あえての円いバラ窓。見逃してしまいそうですが、これはフランスゴシック特徴で、注目すべきところらしいです。
美とは種々異なったものの調和・・・という当時の美意識を反映してるとか。
この「異なったものの調和」っていうの、すごく好きかも。
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さて、この左側のステンドグラスがシャルトルのクライマックス。
「美しきガラス窓の聖母」と呼ばれていて、こちらも12世紀そのままの姿で輝き続けてくれています。顔見えないけど~~、、煌く赤を背景に、青い衣のマリアが凛としてキリストを抱いて座っているこのステンドグラス、ほんと忘れられません。この青がまた良いんですよね。よく大聖堂内のステンドグラス全体を指して、「シャルトルの青」って言われますが、もともとはこの聖母の衣の肩の部分の青を指して言ったことばだそうです。ピンポイントすぎる~。
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そうそう、青い聖母のほかに、黒い聖母にも会いましたよ。フランスには、土着の豊饒と多産の女神とマリアが結びついた黒い聖母像がたくさんあるんですよね。これらの黒い聖母の多くが地下聖堂に安置されているので、子宮を暗示してるとか、ダヴィンチコード関連の本で読んだことがあります。・・・流行りましたね。

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そして、こんなケバブサンドを食べて帰りました。はっきり言って、おフランスのケバブは美味しかったです!

あともう1回くらい、ゴシック萌えシリーズがあるかもしれませーん。
by carlee_trastevere | 2011-05-09 02:16 | フランス
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